グラフィックボードを分解し、3枚おろしにしたところで、3連ファンをそれぞれ確認してみます。
ふーん、ファンは EVERFLOW 社の「T129215SU」というものなのね。だったら、この型番で検索をかけてファン単体を探したら幸せになれるんじゃね?と思い色々探してみましたが、たいして幸せにはなりませんでした。相場は変わらず。しかもこれ、ファンのついている場所によって電源コネクタの形が異なっているんですね。ファン単体を探す際にはここにも注意しなくてはならないんですね。ややこし。
(今のうちに記載しておきますと、後にもう一つの Strix GTX 980ti も分解しましたが、一つ目のボードのファンコネクタと二つ目のそれとでは別物となっておりました。ロットごとに異なったケーブルになっているっぽいです)
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まずはファンを触診。まぁ、これ自体は分解しなくともできることではありますが。
それぞれのファンの、エンブレムシールの張られている中央部分を2本の指でクニクニ動かしてみます。すると…
真ん中のファンはほんのごくわずかだけカタカタいうにすぎないのに、両端の2枚のファンはガッタガタしとる!
もうですね、何かが緩んでいるか何なのか、とにかくガッタガタなのです。
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いよいよファンそのものの分解に着手します。
正直、ここまでの手順や画像は分解レビューなどでもおなじみのものでありますが、ここから先は未知の領域です。
最も具合のよろしくなかった、最後尾のファンから外してみます。ファンの胴体部分から、軸止めを外すことができ、ファンの羽を引き抜くことができる場合があるので、今回もそれを期待してファン胴体に貼り付けられていたシールを剥がしてみました。
はい、この通り、外せそうなものは何もありませんでした。こうなると、ファンをいったん取り外して、モリっと羽と胴体を引きはがすより他ありません。
このファンは合計5か所ネジ止めされています。うち中央4か所は、表側のファンの隙間にドライバーを突っ込み、ネジを外していきます。この4か所を支えているプラスチックは薄いので、裏面に手を添えながらドライバーを回していきます。
で、取り外したものがこちらになります。
羽と胴体とを切り離します。あいにく切り離す瞬間の画像が無いのですが、羽と胴体との間の隙間に均等に力をかけ、モリっと引きはがします。そこそこ力は要りますが、羽や胴体等に損傷の起こらないよう、慎重かつ力強くいきます。
で、引きはがしたものがこちらになります。
胴体の抜け殻だけとれちゃいました。コイルや軸受け、そして軸止めは、羽の内側にまかれている磁石部分にペットリくっついています。
抜け殻の、軸受けを納めている部分。
画像のピントがぼけていてすみません。思っていたほどではないにせよ、ぼちぼちグリスが汚れています。
ファンの羽、コイル+基盤、軸受け、そして軸止め。
先の画像の、軸受け納め部分の外側にもありましたが、こちらの基板上のチップすぐ近くにもプラスチックが溶けたような跡がありますが、これはグラフィックボードを使用中に溶けたのか、あるいはもともとこういうものなのかはわかりませんでした。基盤と胴体とを、溶かしたプラスチックで接着しているようにも思えますが…。
基盤+コイルと羽とを分離していきます。中央の白い円状の薄い板が軸止めです。
パキっとやる感じで力をこめて引っぺがします。なお、この軸止めにはワッシャも重なっていますので、引っぺがす際には軸止めのみに力を込めた方がはがしやすいです。
基盤に「94V-0」、「SS-21V0-1」、「E78022」、「7015-P28N REV A」などの刻印があります。まぁ、今は関係ないですね
引っぺがした軸止めとワッシャです。
…きったねぇ。
やっぱり、そこそこ汚れていますね。軸が削れているのか、軸受けが削れているのか。
軸受けは、穴の開いた金属パーツでした。意外とシンプル。
もともとこのグラフィックボード、負荷がかかっていないときにはファンが停止する仕様となっていることから、そこまでの回転数・回転頻度は想定されていなかったのでしょうか。こう言ったらなんなのですが…ちょっと、こう、はっきり申しますと、頼りなさげでないすか?えっ、そんなことないすか?
(さんざん言いつつ、実はスゴいヤツだったらどうしよう…)
そして…やっぱり、きったねぇ、ときたもんだ。
何かは削れてますよね、これ。絶対。
不調を起こしているファンの構成パーツを並べ置くと、こんな感じです。
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