ASUS グラフィックボード Strix GTX 980 ti のファンを分解して修理する (後編)

 ファン不調の原因が軸受けだけではなく軸そのものにもあったという、結構絶望的な状況になってしまったわけですが、ここまで来たら後戻りはできない!
 どうせ壊れているファンだ、やれるだけやってみてダメなら諦めよう!

Repair the fan shaft

 軸とファンとの間の隙間へ瞬間接着剤を無理やりたらし込み、固めちゃうことにしました。
 固定される位置が少しでもぶれると回転に支障が出るばかりか、せっかく新調した軸受けも程なく逝ってしまわれる恐れがあるものの、こうなりゃヤケだ!
 今回使用したもの(というか、割と普段から愛用しているもの)はこちら。

 この瞬間接着剤、先端にハケが付いており、普段だったら大変使い勝手の良いものなのですが、今回の場合、そのハケでは範囲が広すぎて他の部分に接着剤がついてしまう恐れがあるので、クリップを引き延ばした先端に液をつけ、隙間にたらし込むことにしました。
 目視でニュートラルポジションのあたりをつけ…いざ!

 軸とファンとの接合部が固まったっぽいタイミングでファンを組み立てなおして、触った感じをチェック。
 うーん、やっぱりガタガタはする。だいじょぶかなぁ…?

 恐る恐る組みなおし、試しに3連ファンだけで動作させてみると…

Test fan rotation 1

 …正面向かってみてみてもよく分からん。とりあえず、回ることは回って、異音もなくなりました。
 角度をつけて見てみると…

Test fan rotation 2

Test fan rotation 3

 おっ、悪くはなさそう。
 正面向かって右端のファンが軸までイっちゃっていたファンなのですが、まぁ、ぼちぼち回っていますね。

 よし、これでOKってことで!

Reassembled strix gtx 980 ti

 修理したファンをヒートシンクに取り付け、再び基盤へ組付け、完成。
 執筆時点で修理から数か月経過していますが、現状、特に異常なくブン回っております。

 …が、万人にオススメできる方法ではありませんね。軸とファンとの固定のくだりなんぞは運よく直立状態で固まってくれただけだと思っていますので。

 なお、あれだけモリモリ作ったボールベアリング+ベアリングスリーブのセットですが、正常動作しているファンに組み込むのはやめました。
 現状、動作してくれているファンをあえてバラして、かえってファンに負担をかけるのもなんだかなぁ、と考えたためです。
 今回ファンが故障した(おそらくの)原因が、ファン回転を無理やり引き上げてオーバーワークさせてしまっていたことと考えているので、それをやめた今、再びファン軸がどうこうなってしまう恐れというのもあまり高くないのでは、と期待している、というのもあります。
 お手製ベアリング、再び陽の目を見ること、あるかなぁ…

 ここまでやってきて思いました。
 これを機に本格水冷導入してぇなぁ。ホントに。

【2017/08/16:新規投稿】

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「ASUS グラフィックボード Strix GTX 980 ti のファンを分解して修理する (後編)」への2件のフィードバック

  1. こんにちは。
    全く同じGPUを所持していて全く同じ症例になっているものです。
    自分も過去に独学で最後までバラバラにして金屑と汚れをパーツクリーナーで拭いて新しくグリスを塗って対処していて1か月ほど正常に動いていましたが最近またブレ始めて500rpmほどしか回転しなくなりました・・・。
    自分の場合、軸自身はずれたり空転したりはしてないのですがなぜかブレます・・。
    おそらくベアリングなのでしょうね泣
    もしかしたら貴方が自作していたベアリングが役に立つかもしれません(笑)
    これのしっかりした修理はもうジャンク品の全く同じGPUが格安で出回るまで待つか水冷化するほうがいいのかもしれませんね・・・。

    1. 記事をご覧いただき、まことにありがとうございます。

      これはもう、仲間ですね(笑)
      恐らくベアリングそのものの問題であるとお見受けいたします。

       当方の作成したベアリングは厳密さにおいてはイマイチであることは記事でも申しているとおりでありますが、それでもなお、標準搭載のベアリングよりはマシであろう、と勝手に思いこんでおります。と申しますのも、現在もこのグラフィックボードは使用中でありますが、ベアリングを交換していないファンの回転がアヤしくなってきているのです。恐らくベアリングの摩耗が進んでいるのでは、とやきもきしております。
       もしFalcon0030様がベアリング交換に着手される際には、不調のきたしているファンのみならず、他のすべてのファンのベアリングを交換されることを強く強くお勧めいたします。この標準ベアリング、遅かれ早かれ全滅しそうです。私は今更ながら、作業に取り組んでいるときにサボらず全部のファンのベアリングを交換しておけばよかった、ととても後悔いたしております。再びバラすのもなぁ、腰が重いなぁ、といった具合です。

       標準ベアリングがダメという仮定で考えますと、格安ジャンク品に搭載されているファンももしかしたら危ないかもしれません…。結局のところ、ファンに使用されているパーツそのものが良いものにならないと再びファンに不調が出てしまうのも時間の問題かなぁ、ということであります。
       となりますと、やはりここは水冷化かっ!?となるのですよね! が、(個人的には)先立つものが…

       うーん、戦いは長引きそうですね…。
       Falcon0030様のご武運をお祈り致しております!

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