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5.リカバリ時に作成されるパーティションサイズを調整
さて、これで一応リカバリメディアは完成したのですが、ここでもうひと仕事を行います。
リカバリ時に、どのようにパーティションを再構築するかはメーカーごとに異なったファイルによって規定されているのですが、このPCについては、「ReCreatePartitions.txt」というテキストファイルにその情報が記載されています。今回の作業は元々、HDD→SSD交換作業として承っており、交換先のSSDは128GBのものが指定されておりました。そのため、少しでもCドライブの容量を増やすために、若干情報を書き換えます。
Dドライブの容量を50GBから5GBにしてみました。なるべくCドライブに割り当てたいので。
(作業時点ではここのポイントの重大なミスに気付いていませんでした…詳しくは後述)
また、リカバリ時のパーティション容量を気にする際にもう一つ見ておく必要のあるファイルがあります。「ResetConfig.xml」です。
これを開いたとき、<MinSize>160426</MinSize>となっている部分がありますが、これは「PCに実装されるディスクの最小容量は160426MB(=約160GB)で」という意味合いになります。今回実装するのは128GBのSSDであるため、ここも変更しておく必要があります。適当に数値を書き換えます。
適当に書き換えた
ここまででリカバリメディアの作成は完了です。いざ、目的のPCへリカバリメディアを挿し、リカバリ実行。
途中に出てくるメッセージは、
「ドライブのパーティション分割をやり直します」
「ドライブを完全にクリーンアップする」
を選択しました。
…
無事リカバリが終わりました。よかった。
念のため、いろいろと確認してみることに。
まずは「コンピューター」を開いてみると…
?
…なんか、やけにCドライブ少なくね?
不安に感じ、「ディスクの管理」を開いてみると…
??
パーティションの切られ方がおかしい!
HDDの末尾部分が、リカバリメディアを作成している途中の「ReCreatePartitions.txt」でDドライブを縮小した分っぽいのが丸ごと「未割り当て」になっています。
ちょっと待てよと思い立ち、慌てて改めて「ReCreatePartitions.txt」を開き、よーく見てみると…
!!!
Cドライブのサイズ指定コマンド、「shrink」です。
…これ、どういうことかといいますと、「今ここで作ろうとしているパーティション(つまり、Cドライブ)以降のために、66616MB空けておきます(=後ろが66616MBとなるように、ここのパーティションを縮めます)」といったくらいの意味合いになっています(ごく若干語弊がありますが、まぁそのくらいの意味です)。つまり、先の手順では単純にDドライブ分の容量を減らしただけであるので、
66,616(Cドライブ作成時に後方に空けておいた容量)
- 5,120(Dドライブの容量)
- 15,416(リカバリパーティションの容量)
=46,080
だけ空きパーティションができてしまっていた、というオチです(数値の単位はMB)。この現象を回避するには、shrinkするサイズを適切な値に変更してあげればよいのですが、ここでは、
5,120(Dドライブの容量)
+15,416(リカバリパーティションの容量)
=20,536
とでもしてあげておればよかったわけです。やっちまったなぁ…値を修正してもう一度リカバリをやり直そう…。
ちなみにそれだけにとどまらず、ふとリカバリメディアを作成してみようと「Toshiba Recovery Media Creator」を立ち上げてみると…
…
なんかエラーが出る始末。「Toshiba Recovery Media Creatorを起動できません。HDDDir.iniファイルに定義されている、リカバリツールのファイルがありません。」?「HDDDir.ini」って何よ?
よく分からないまま、とりあえず Cドライブ → Program Files フォルダ → TOSHIBA フォルダ 内にある Toshiba Recovery Media Creator フォルダを開いてみると…
あった
これか。なんだ、これ?開いてみると…
ふむふむ。つまるところ「RicaTools」の中のファイルが要るのね…あー、これ、リカバリメディアを作成するときにリカバリ領域からコピーしなかったアレだ…なんということ。というわけで、次の方針が立ちました。
(1)リカバリ領域内のデータは(「RicaTools」含め)全部回復ドライブにコピーする!
(2)ReCreatePartitions.txt の値を修正する!
…
方針を実行しました。で、もう一度リカバリしました。
結果、パーティションはキレイに構築されました。
よしよし
よしよし
…が、やはり Toshiba Recovery Media Creator は正常に起動してくれません。自作リカバリメディアに「RicaTools」フォルダを含めてもうまくリカバリ領域に反映されてくれないのか?
ならば、ということで、リカバリ後のPC内のリカバリ領域に直接、「RicaTools」フォルダをコピーしてみることにしました。diskpartコマンドでリカバリ領域にドライブレターを割り当て、リカバリ領域内を確認。
あれ?
「RicaTools」、あるぞ。どういうことだ?プロパティで元の「RicaTools」とリカバリ後PCの「RicaTools」のそれぞれのファイルサイズを比べると…
元のRicaTools
リカバリ後のRicaTools
サイズが異なっている!そしてファイル数がリカバリ後の方が2つ少ない!ということで、早速足りないファイルを照合。ちなみに足りないのは次のファイルたちでした。
RicaTools¥boot¥boot.sdi
RicaTools¥SOURCES¥boot.wim
これらを手動でコピーしたところ…
やっと Toshiba Recovery Media Creator が起動してくれました。試しに本ツールを用いてリカバリメディア(今度はDVD)を作成してみると、問題なく作成されました。
さらに試しにそのリカバリDVDを用いて、検証用ブランクHDDを元のPCに取り付けてリカバリを試みると、問題なくリカバリが実行されてくれました。なお、今回の環境で Toshiba Recovery Media Creator で作成したリカバリDVDからリカバリを実行すると、Dドライブの容量は元々の規定容量の50GBとなりました。容量の小さいストレージに換装してリカバリしたらどうなっていたんだろう、気になる…。
【2016/06/21:新規投稿】
とても参考にさせていただいております
質問なのですが
このページの「目的のPCへリカバリメディアを挿し」は作成した回復USBメモリですよね?
これで起動させた後が判りません
回復ドライブなのでプレーンなWinのはずですが、そこから東芝ユーティリティか何かを
起動させるのでしょうか?
すみませんが宜しくお願いします
頂きましたコメントへの返信が遅れ、大変失礼いたしました。
おっしゃいます通り、本記事2ページ目の「目的のPCへリカバリメディアを挿し」は、今までの手順で作成した回復USBメモリとなります。
初めに別機種で「回復ドライブ」(=回復USBメモリ)を作成しておりますが、別機種で作成されたままの「回復ドライブ」内には、Windows のインストールイメージは含まれておりません(厳密に申しますと、「回復ドライブ」作成時に、その別機種の回復パーティションのイメージを【含まないように】回復USBメモリを作成します。具体的には、別機種で「回復ドライブ」作成する際に、「回復パーティションを PC から回復ドライブにコピーします」オプションを外して作成します。そうしないと、その、別機種のリカバリイメージが回復USBメモリ内に含まれてしまうためです)。そして、そのインストールイメージが含まれない回復USBメモリの中に、お目当ての Windows イメージを組み込む、という流れになります。
ここまでの手順を踏み、回復USBメモリで起動させ、「キーボード レイアウトの選択」→「オプションの選択」の「トラブルシューティング」→「PCを初期状態に戻す」と進んでいきます。特段、東芝ユーティリティ等のメーカー独自のリカバリユーティリティの起動は必要とせず、Windows 標準の「初期状態に戻す」の選択肢から先に進めることで、組み込んだリカバリイメージが復元されるようになっております。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。