「デバイスドライバ」について

 Windows には、PC内部の各部品(=「デバイス」)の動作を制御する「デバイスドライバ」と呼ばれるプログラムが予めある程度は用意されております。そのため、Windows の導入直後にも、様々なメーカーの部品が組み合わさったPCであっても「とりあえずは」動作するようになっております。なお、ここでいう「部品」とは、単にメイン基盤(マザーボード=M/B)に取り付けられてある差込口に取り付けられている部品(グラフィックカードやサウンドカードなどの、いわゆる「PCパーツ」と呼ばれるもの)だけでなく、M/Bや各種拡張カードそのものに組み込まれている各種チップなども指します。

 ただし、Windows そのものの中に予め用意されているデバイスドライバには限りがあり、当該PCに組み込まれている部品に対応したデバイスドライバが初めからは入っていない場合もよくあります。そのため、PCメーカーは製造・販売するPCについて、各部品に最適化されたデバイスドライバ(と、そのPCに付属させるソフトウェア)を追加で組み込んだ状態で出荷するわけです。そしてまた同時に、PCの動作がプログラム上おかしくなってしまったときに、購入時の状態まで戻してあげるためのデータも別途用意するわけです。いわゆる「リカバリ領域」とか「リカバリディスク」とかですね。

 メーカーが用意してくれている初期化のためのデータには、予め適切なデバイスドライバが組み込まれているため、そのデータを用いて復元した直後から、いわば「製品として完成された状態」となるのです。
 しかし、市販の Windows をメーカー製PCにクリーンインストールするとなると、Windows 導入直後にドライバが適用されなかったデバイスについては、適切なデバイスドライバを自力で探し、手動で適用させる必要があるのです。

 「自作PC」(各PCパーツを買い集めて作り上げられたPC)に Windows を導入するケースでもデバイスドライバの適用が欠かせない作業の一つとなりますが、ほとんどの場合ではそのPCパーツには「ドライバディスク」と呼ばれる、様々なバーションのOSに対応したデバイスドライバを収録したメディアが付属しており、そのディスクを用いることで適切なプログラムがPC内に組み込まれてくれます(中古で部品を買った場合や、パーツメーカーがディスクを提供していない場合などには付属しないこともあります)。このように考えると、既製PCへの Windows クリーンインストールの方が自作PCへのそれよりも厄介ともいえるかもしれません。

 さて、クリーンインストール後にデバイスドライバを入手する方法としては、パっと思いつくものとして大きく4通り挙げられます。

  • PCメーカーのWebサイトのサポートページなどからダウンロード
  • 部品メーカーのWebサイトからダウンロード
  • メーカー以外のWebサイトからダウンロード
  • Windows Update

 このうち、注意が必要なのは「3.メーカー以外のWebサイトからダウンロード」です。他の方法でデバイスドライバを探しきれなかったときにやむなく利用せざるを得ないこともあり、試した結果うまく事が運ぶことも少なくないのですが、Webサイトによっては、ドライバそのものだけでなく、独自の「ドライバダウンロードツール」やその他のソフトウェアをPC内に組み込もうとすることがあります。それらについては実際に有益なものもあったりしますが、場合によってはPCの挙動がおかしくなってしまうこともあります。さらには、悪意のあるWebサイトの場合、デバイスドライバを提供するふりをしてコンピュータウイルスやその他の迷惑プログラムをPC内に組み込もうとするところすらありえます。
 利用に当たっては、個々人の責任の下、十分な注意をもって、また、できる限りのウイルス対策も施したうえで臨みたいものですね。

 なお、いくつかのドライバについては、Windows Updateから適用可能なものもありますので、はじめに「イーサネット コントローラー」か「ネットワーク コントローラー」のドライバを適用し、Windows Update を行って、それでもなお適用されないデバイスについて手動でドライバを適用させるのもアリかと思われます。

【2016/05/09:新規投稿】

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