「PC内部のデータを消す」とは - データは簡単には消えません
「PC内部のデータを消去する」といえば、多くの場合、以下の状況を想像すると思われます。
- あるデータを「ごみ箱」へ入れる
- データの入った「ごみ箱」を「空にする」
- あるデータを選択して、【Shift】キーを押しながら【Delete】キーを押す(=「完全に削除」する)
PCについてある程度の知識をお持ちの方であれば、
- HDD等を「フォーマット」する
という選択肢も挙げられることと思われます。
しかしこれらの方法では、データはPC内部に残ったままなのです。
PCでデータを保存する際には、実際のデータを保存すると同時に、
「どのデータがどこに保存されているか」といった、「データについてのデータ」>
も同時に保存されています(「管理データ」といいます)。
紙のノートに情報をまとめる際に、「Xページに【 ~ 】について書いた」と、
「目次」も一緒に作っているようなものです。
そして、冒頭の「ごみ箱を空にする」や「フォーマット」などで行われることというのは、
実はこの「データについてのデータ」、すなわち「管理データ」を消しているに過ぎないのです。
管理データが削除されると、その管理データの所轄していたスペース分のデータは、
「消去されたとみなされる」のです。しかしあくまで、みなされているだけなので、
この段階ではまだ実際のデータはPC内に残されているのです。
「本当はまだデータが残っているけれど、次に何かのデータを保存したいときには、
このスペースを使ってもいいよ」という状態です。
このスペースに新たなデータが書き込まれて初めて、元々のデータが「消えた」ことになるのです。
逆にいえば、このスペースに何らかのデータが書き込まれるまでは、
元のデータはいつまでも残ったままということになるのです。
「誤って削除してしまったデータを復旧する」ということが可能な理由はここにあります。
ただ、裏を返せば、「意図しないところでデータが復元されてしまう」こともありうるわけです。
そのため、PCを処分したり譲ったり、あるいは買取サービスに出す場合には、
安全のために確実にデータを消去しなければなりません。
しかし、単にデータをごみ箱に入れたり、ごみ箱を空にしたり、
HDDをフォーマットしたりしただけでは不十分である、ということになります。
「そんな大したことにPCを使っていないから…大丈夫でしょ?」 とおっしゃる方が後を絶ちません。しかしたとえば、
- PCでネットショッピングをしたことがある
- PCで知り合いとメールをしたことがある
- PCで町内会やPTAなどの名簿の類を作成したことがある
そんな場合…
- もしPCの中にクレジットカード情報や銀行口座情報が残っていたら…
- もしPCの中に自分や知り合いのメールアドレスが残っていたら…
- もしPCの中に名簿が残っていたら…
それらが漏えいしてしまう危険性をはらんでいるのです。
自身の情報のみにとどまらず、他の人の情報まで漏れ出てしまう恐れがあるのです。
あなたはPCのデータについて、そこまで考えたことがありますか…?
一見何でもないようなデータであっても、私たちには想像もつかない形で、
データは悪用されかねないのです。
PCのデータはたとえ個人用のPCであっても、確実に消去されなければなりません。
自信がなければ、必ず専門店へご相談ください。