PCがどれだけ精密でデリケートかというお話 - HDDの中身編
PCのデータは「HDD(Hard Disk Drive)」や「SSD(Solid State Drive)」などに格納されています。 最近ではフラッシュメモリタイプのSSDを採用した機器も増えてきていますが、 特に多くのデータを扱う際には現在もなおHDDが採り入れられることが多いです。
この大容量のデータを保存することが出来るHDDですが、
PCに多く採用されているサイズは「3.5インチ」、「2.5インチ」の2種類となります。
「3.5インチ」タイプの場合、縦は約14.3cm、横は約10.0cm、高さは約2.5cm、
「2.5インチ」タイプの場合、縦は約9.9cm、横は約6.8cm、高さは約0.75cmとなります
(定規での個人的な採寸です。製品により若干の変動が有ります)。
このコンパクトな箱の中に私たちは数多くの文書・写真・映像・音楽などを保存しています。
画像は3.5インチHDDの内部です
いま、「箱の中」にデータが保存されていると記載致しましたが、厳密には、 その箱の中に組み込まれている「プラッタ」と呼ばれる円盤に磁気データとして保存されています。 高速回転しているプラッタの上を「ヘッド」と呼ばれる読み取り装置が移動し、 必要なデータを読み込みます。
この鏡のような円盤上に数多くのデータが詰まっています
このヘッドは、プラッタに物理的に接触していません。
よくHDDの内部はレコード盤・レコードプレーヤーにたとえられますが、
データ読込部が円盤に接しているか否か、という点では異なることになります。
では、その読み取り部はいったいどの程度離れているのか?
HDD製造元として世界的に有名な企業の一つ、
Seagate社のWebサイトにある情報によると、
その隙間は何と 0.0038μm !
髪の毛の太さが75μm、指紋の厚みが4μmと説明されていますので、
もはや何が何だか分からないくらいの隙間です。
赤丸部分、円盤にはくっついていません
この、「間一髪」のおよそ20000分の1の隙間をあけて、
データ記憶域のプラッタが1分間に5000回転も7000回転もしているのです。
動作中のPCに触るのが怖くなるくらいの精密さです。
ここまで精密であると、ある日PCの調子が悪くなってしまったとしてもさもありなん、
という気持ちになってくるかもしれません。